こんにちは、西性寺です。今年も秋のお彼岸の季節がやってまいりました。「暑さも寒さも彼岸まで」と言われたように、お彼岸は季節の変わり目としても人々に認知されてきました。このところの尼崎も、9月とは思えないほど暑い日々が続いていましたが、お彼岸の前後で少し落ち着くようです。
さて、どうして私たちはお彼岸の時期に、仏さまに手を合わせるのでしょうか。せっかくのご縁ですので、少しだけお彼岸のいわれについて記しておきたいと思います。
お彼岸のいわれ
そもそも、お彼岸は仏教が伝えられてきたインドや中国にはない、日本独自の風習です。仏教では、阿弥陀さまがおられるお浄土が「西」の方角にあると言われています。そこに、日本古来の信仰として、太陽や自然、ご先祖様を崇拝する風習が合わさり、お彼岸の季節に改めてご先祖様に手を合わせることで、極楽浄土への往生を願われたといいます。
そして、太陽が真西に降りるお彼岸の時期は、仏さまに手を合わせる日、あるいは仏道修行に励む日として非常にふさわしいとされてきました。
西性寺の宗旨である浄土真宗でも、お彼岸の時期に改めてお念仏をさせていただいております。浄土真宗では、私たちはすでに阿弥陀さまのお救いにあずかっている、お救いのみ光に包まれていることを喜ばせていただくご縁として受け止めさせていただきます。
沈みゆく綺麗な夕日をお慈悲にあふれる阿弥陀様のお姿と重ね合わせ、手を合わせずにはいられないと当時の方々は思われた……のかもしれません。皆さまも、ぜひこの機会にお手を合わせてみてはいかがでしょうか。
トップ写真について
※トップの写真は、尼崎市の南部にある尼崎運河(尼崎市道意町)より撮影した9月21日の夕日の写真です。尼崎運河はほぼ東西に走っている区間があり、ご覧のように真西に太陽が降りてゆく様子が(なんとか)おわかりいただけると思います。いつか快晴のお彼岸が訪れたときは、また撮りにいこうかなと思います。合掌